まだ、見てるだけ。

「…っ?!」



目が…あった。

ほんの一瞬、あったらすぐに逸らしてしまったけれど確かに目が合った。


あっちも私のことを見てたってこと?、気づかれたらどうしよう…



「紗蘭?行くよ〜?」



「あっごめん!今行く!」



奈心が不思議そうな顔をしてこちらを見ていた。

いけない、おいてかれちゃう!


偶然こっち側を見ただけで、別に私のことを見たわけではないと思うし。




彼のことを考えると上の空になってしまって2人にも疑われてしまいそうだから、彼のことを考えるのはやめよう。

心の中で私はそう決めた。