先生、それは✗✗です…!

「鳥羽先生が岸まで引き上げてくれたけど、そのあとが大変だったんだよ…!」


紗穂が語るに、溺れたわたしは一時息をしていなかったらしい。


「でも、…わたし。今はなんともないよ…?」

「それは、鳥羽先生が人工呼吸をしてくれたおかげだよ…!」

「じっ…人工呼吸!?」


人工呼吸って…、口と口とをくっつけて――。

つまり、…キス……!?


「なくる〜、なに変な妄想してるのっ」

「べつにっ…そんなこと…!」

「…まあ、妄想ができるくらいにまで元気になって本当によかったよ」


わたしを見つめる紗穂は、涙ぐんでいた。


「じゃあ、あたしは先生呼んでくるから」


そう言って、コテージの医務室から出ていった紗穂と交代で入ってきたのは鳥羽先生だった。


「…大丈夫か?」

「はい…、おかげさまで」