先生、それは✗✗です…!

顔を背けたと同時に、突風がわたしのキャップを舞い上げていく。

風に乗って飛ばされたキャップは、川の中へ静かに着地した。


「あちゃ〜…。あんなところに」


キャップはゆっくりと流れていく。


「紗穂!ちょっとキャップ取ってくるね」

「うん、気をつけて」


わたしは紗穂に軽く手を上げると、川の中へと入っていった。


手のひら大の石が転がる、くるぶしが浸かるくらいの水位の川。

流れも穏やかで、わたしは前を流れるキャップを追いかけていく。


しかし、キャップはどんどん先へと流されていく。

追いかけていくうちに、気づかない間に水位が膝下にまできていた。


すると、キャップが反対側の岸から伸びた木の枝に引っかかっているのが見えた。


徐々に深くはなってきたけど、キャップまではあと少し。