『なんだよ?もしかして、この前のことでも思い出した?』


全ッ然やさしくないし、大切にもしてくれない…!


みんなは知らない。

鳥羽先生の裏の顔を。


「なくる〜、眉間にすっごいシワ寄ってるよ?」


不思議そうな顔をして、頬杖をついていたわたしのところにやってきたのは紗穂。


「だってみんな、鳥羽先生にいいイメージを抱きすぎなんだもん。…実際、そんなんじゃないのにっ」

「まあまあ、だれだって表裏くらいはあるんじゃない?それに、なくるだって女子大生のフリしてたんでしょ?」

「そうだけど…」


紗穂にはあれからすべてを話した。

食事会の帰りに、成り行きで一夜をともにしてしまった“鳥羽さん”が、実は新しく担任になった“鳥羽先生”だったということを。


「あの鳥羽さんが鳥羽先生だったって話にはびっくりしたけど、結局あれからなにもないんでしょ?」