手をもじもじとさせながら、わたしはうつむき加減で目をそらす。

そんなわたしを見下ろしていた鳥羽先生が口角を上げる。


「そういう初々しい反応されると、もっといろんなお前を見てみたくなる」


鳥羽先生はわたしの顎をくいっと持ち上げると、色っぽいその瞳でわたしを捉えた。


「じゃあさ、せっかく生徒と教師で再会したことだし…。俺が、イケナイコト…教えてやろうか?」


イ…、イケナイ…コト?


「せ…先生、なに言って…」


わたしの心臓がバクバクと鳴る。


鳥羽先生とイケナイコトって――。


そのとき、突然頭をわしゃわしゃとなでられた。


「なに真に受けてんだよ。冗談に決まってんだろ」

「じょ…冗談?」

「ああ。そんな簡単に人の言葉信じてたら、あの夜の相手が俺じゃなかったら、お前とっくに食われてるぞ」