先生、それは✗✗です…!

「“鳥羽先生”…だろ?」


鳥羽先生の低い声と耳にかかる吐息に、思わず体が痺れる。


「まさか、あのとき家に連れ込んだ女の子が、女子大生を装った女子高生だったとはな」


先生はにやりと微笑むと、徐々にわたしに迫ってくる。

こんな狭い保健室のベッドの上では、逃げ場なんてない。


「あのときのこと、思い出したか?それとも、俺が思い出させてやろうか?」


先生がわたしの唇に目を向ける。


…どうしよう。

このままじゃ…、本当にっ――。


わたしはごくりとつばを呑むと、先生の胸板に手を押し当てた。


「…せ、生徒にキスしようとするなんて…。先生、それは犯罪です…!」


それは、わたしなりの威嚇で抵抗。

すると、それを聞いた鳥羽先生はぽかんと口を開けていた。


「は?…犯罪?そんなの当たり前だろ。だれが生徒にキスするかよ」