先生、それは✗✗です…!

「そうか?なんか顔が赤いぞ?」

「気のせいです…!」


この感じだと、幸いわたしのことには気づいていなさそうだけど、こっちの心臓が保たないからもうやだっ…。


「わたしはここで寝てるので、早く体育館へ行ってください…!」


鳥羽さんをカーテンの外へ押し出そうすると、その手をぎゅっと握られた。

突然のことに驚いて目を向けると、鳥羽さんは意地悪く微笑んでいた。


「なんだよ?もしかして、この前のことでも思い出した?」


余裕な表情でニッと口角を上げる鳥羽さんに、わたしはドキッと心臓が跳ねる。


「や…やっぱり、鳥羽さ――」


そう言いかけたわたしの唇に、鳥羽さんは自分の人さし指をあてた。


「…シッ!“鳥羽さん”じゃねぇだろ?」


え…?


わたしが首をかしげると、鳥羽さんは耳元でこう言った。