先生、それは✗✗です…!

「体調が悪くて保健室にいるって聞いたからきてみたが、案外顔色はよさそうじゃん」


体調が悪いのは嘘だけど、鳥羽さんと顔を合わせられなくて――なんて言えるわけがない。


「…え、えっと。ちょっと朝から熱っぽくて…」

「…熱?」

「たいしたことはないので、大丈夫――」


と適当な言い訳をしたわたしに、鳥羽さんがぐっと顔を近づける。


左手でわたしの後ろのベッドの柵に手をかけ、右手はわたしの後頭部に添え――。


「どれどれ?」


そう言って、額と額を突き合わせてきた…!

その瞬間、似たようなシチュエーションが重なり、あのときのことが鮮明に思い出される。


『じゃあさ』

『俺たち、付き合う?』


顔を真っ赤にしたわたしは、慌てて鳥羽さんから離れた。


「…ほっ、本当に大丈夫ですから…!」