先生、それは✗✗です…!

〈いいから…!ここに座ってください!〉


なんだか怒っているような口調は、わたしの声。


〈もう一度、口ゆすぐか?〉

〈そんなのは、どうだっていいんです…!年下だからって、なめないでくださいっ〉

〈べつに、なめてねぇけど…〉

〈…なめてますよ!わたしだって、キスくらいできるんですから!〉

〈なんでそういう話になんだよ…!?〉

〈ちょっと!動かないでください!〉

〈待て待て、…落ち着け!今日会ったばかりの男と、簡単にキスなんてするもんじゃねぇぞ…?〉

〈うるさぁ〜い!いいから黙って――〉

〈…おい!…んんっ……、やめろって…!〉


動画は真っ暗なままで、なにも映っていない。

しかし、はっきりと残っている音声によると、拒む鳥羽さんにわたしが無理やりなにかをしているのがわかる。