――そして。
「鳥羽太一だ。担当教科は数学。よろしくな」
ニッと笑ってみせるその表情は、わたしがよく知る顔だった…!
「あれ?“鳥羽”って、さっきなくるが話してた人と名字がいっしょだね!すごい偶然〜」
そんな紗穂の声が聞こえてくるけれど、“名字がいっしょ”どころではない。
教壇の上に立つのは、正真正銘の――本人なのだから…!
* * *
「なくる、…大丈夫?」
「…うん。でも、ちょっと休もうかな」
朝のホームルームを終え、始業式に出席するために体育館へ移動するとき、わたしは体調不良を理由に保健室で休むことにした。
朝から体調に問題はなかった。
おそらく、鳥羽さんが担任という事実が受け止めきれないという精神的なものだろう。
それに、…顔を合わせるわけにもいかない。
「鳥羽太一だ。担当教科は数学。よろしくな」
ニッと笑ってみせるその表情は、わたしがよく知る顔だった…!
「あれ?“鳥羽”って、さっきなくるが話してた人と名字がいっしょだね!すごい偶然〜」
そんな紗穂の声が聞こえてくるけれど、“名字がいっしょ”どころではない。
教壇の上に立つのは、正真正銘の――本人なのだから…!
* * *
「なくる、…大丈夫?」
「…うん。でも、ちょっと休もうかな」
朝のホームルームを終え、始業式に出席するために体育館へ移動するとき、わたしは体調不良を理由に保健室で休むことにした。
朝から体調に問題はなかった。
おそらく、鳥羽さんが担任という事実が受け止めきれないという精神的なものだろう。
それに、…顔を合わせるわけにもいかない。



