先生、それは✗✗です…!

「でも、そんななくるをわざわざ連れ帰って介抱してあげるなんて、その鳥羽さんって人めちゃくちゃいい人じゃん!」

「だけど、そんなことで『付き合う』って言われたんだよ…!?」

「いいじゃん、付き合えば」

「できるわけないよ…!“付き合う”っていうのは、お互いがお互いのことを想い合って――」


と真剣に話しているというのに、紗穂はあからさまに耳を塞いでいる。


「はいはい。それ、もう聞き飽きたからー」

「…もう紗穂、ちゃんと聞いてよ!」

「言っておくけどね、なくる。好きになった人と順を追ってとか、運命の相手は白馬に乗ってやってくるものとか今まで散々聞かされたけど、それ、恋愛レベル中学生以下だからっ」


ビシッと立てた人さし指をわたしの目の前に突きつける紗穂。


「…中学生以下って――」