「えっと…。ごめん、名前なんだっけ?とりあえず、コーヒー飲む?今から淹れるけど」


そう言って鳥羽さんはベッドから抜け出すと、キッチンのほうへと歩いていく。


お持ち帰りしておいて…、わたしの名前を覚えていないなんて。

そのことに驚愕するも、上半身裸の鳥羽さんがいるから目のやり場に困る。


「…コ、コーヒー淹れる前に、先に上の服を着てもらえませんか…!?」


わたしはなるべく鳥羽さんの体を見ないように、両手で顔を隠す。

鳥羽さんはキョトンとしながらもとりあえずクローゼットを開けると、適当に手に取ったロンTを上に着た。


状況が理解できず、身動きの取れないわたし。

部屋には、コーヒーの香りが漂う。


…ひとまず、バスローブの下には下着はつけているっぽい。

でも…、わたしが着ていた服は…?