少し勇気を出せば、私もその中に行けたのかな……?
 あの子は勇気を出して履歴書書いて、面接して……。

 それが怖かったわけじゃないけど……あぁ。

 でも現実、私は外なんだ。

「あの、やっぱり家にアイスがあるの思い出したから今日はいいです。じゃ、じゃあ……お土産、本当にありがとうございます」

「受け取ってくれて、ありがとう。じゃあまたね」

 青白い顔で、吸血鬼は笑ってくれた。店の玄関ドアへ歩いていく。

 私の夏祭りが終わっちゃう……終わっちゃう……あ、終わっちゃった。

 ごめん太陽、グミはまた今度買う。

 今は中に入りたくない。
 きっと遠くに感じちゃう。