「あ、雨……」
クラスの誰かが言った。
ボツ……ボツ……ボツボツボツボツボツ……ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
あんなに晴れていた空は一気に暗くなって急に雨が降ってきた。
校庭の茶色が黒になっていく。
風も嫌な音をたてて吹き始めて、雷が鳴って教室のみんながキャーキャーうるさい。
せっかくの桜が散っちゃうよ。
あんなに頑張って働いて、やっとのお休みで……お花見ができるって言ってたのに……。
つまらない授業は誰も聞いていない。
そのくらい外の天気の変化は凄まじかった。
巫女でもない私なんかの願いなんか届くわけもなく、ますます雨は酷くなって、風も酷くなった。
学校が終わると、黒い空が渦巻いていた。
吸血鬼は今朝に寝て、明日の夜に起きるって今朝言ってたけど……。
暗い道の水溜りに、桜の花びらが震えるように落ち重なってる。
丘の上はもっと、風が強いかも……。



