私が吸血鬼の手の温かさの再現を、しつこく弟に求めたから『お姉ちゃんが変』って言われてお母さんが慌てて様子を見に来た。
お母さんは色んな意味で心配そうだった。
まさか自分の娘があのコンビニの吸血鬼と……? って思ってるのかな。
まだ、全然お友達にもなってないよ……。
でも、もちろんインフルエンザ真っ最中の娘に何か言うわけでもなく。
私はちゅーちゅーバニラのアイスを飲んで、眠った。
次の日にはもう、熱は下がってた。
アイスのゴミはもう捨てられていて、仕方ないけど……ちょっと、残念。
お母さんは私がブランチを食べるのを見てから仕事に出掛けた。
ベッドに入った私に、みんなから心配のメールが届いてる。
またクラス替えがあるんだよな。
色々あったけど、今は仲良しクラスだから残念だ。
色んな人からくるメールに、自動書記みたいに当たり障りのないメールを返す。
私はいつの間にか自分の勉強机の椅子に座って、ほっぺたを机にくっつけていた。
彼の手は……こんな感じ?
机、冷たい……。
でも机は固い。
彼の手はどんなだろう?



