「でも……うん、いい誕生日だったよ。吸血鬼のアクリルスタンドありがとう」 『うん、お誕生日おめでとう』 そう言われて、時計を見たら私の誕生日はもう終わってた。 ワガママだけど、彼と友達でいたいってやっぱり思った。 眠たくなるまで彼は私とお話してくれた。 私も尾瀬君や吸血鬼みたいに優しい人になりたいと思った。 吸血鬼は人じゃないけれど。 想われる気持ちや、想う気持ち。 切なさを知った――秋。