私たちのキョリ

 ……言えた。

 心が少し、軽くなる。

 でも、驚いたように目を見開く拓海を見て、少し後悔もする。

 私たちの、この心地いい関係は、やっぱり終わっちゃうのかな。

 つい、拓海から目をそらしてしまう。

「突然ごめん。こんなこと言ったら、気まずくなることなんてわかってる。……それでも、この距離は変えないでほしいの。無理な話かもしれないけど、私、この距離感が変わってほしくな――」

「もし、いやだって言ったら?」

「っ、でも――っ!」