「お待たせ、拓海!」

 部活終わり、門のところでスマホをいじっている幼なじみの水原拓海に私、川瀬美波は走りよった。

 私はバレー部で拓海はサッカー部。終わる時間がだいたい同じくらいだから、いつも一緒に帰っているんだ。

 拓海とは家が近所でちっちゃい頃からよく遊んでいるから、クラスが違ってもずっと仲がいいの。

 ……私が持っている感情は、それだけじゃないんだけどね。

「じゃ、帰っか」

「うんっ!」