涙は止まらなくて、枕を濡らしていく。

全部、本当に嘘だったの?全部、全部…。

ねぇ勇里さん。全部嘘?本当の名前は勇一さんって言うんだね?どうして偽名なんか…。オネェのフリもどうして…。

私はただ、声を殺して泣いた。

コンコン…

「海果。今、いいか?」

私は涙を急いで拭う。

「…うん。」

パパが部屋に入ってきた。

「海果に話さなきゃいけない事がある。聞いてくれるか?」