勇里さんはバッグから香水瓶を取り出した。

「あなたもつけてみる?」

「いいの?」

「いいわよ♡」

シュッと、手首にワンプッシュ。

薔薇の香りが広がって、私今勇里さんと同じ匂いなんだって実感する。

「気に入ってもらえて嬉しいわ。そうそう、良い場所があるの。連れてってあげる。そこでお昼にしましょ。」

車は再び走り出した。

「着くまで目閉じてて?きっと気にいるわよ。」

そう言われて、ワクワクしながら目を閉じる。