落ちた鞠を拾おうとして駆け寄ると、普段はいない父様がいた。 顔は俯いたままなので、覗き込んだら泣いていた。 「父様、どうされましたか?どこか痛みますか?」 そしたら嗚咽を漏らしながら更に大粒の涙をこぼし始める父様。 「おーい、何してるんだ香具夜」 「どぉしたのー」 と後ろから聞こえてくる翻羽と竜の声でハッとまわりを見渡すと、 たくさんの衛兵と...母様が地面に押さえつけられていた。 「母様!!」 「離せ、母様が何をしたというんだ!!」 僕の叫びが響き渡る。