「お前の手、俺が繋いでてやるよ」 海が私の手を、ぎゅっと握ってきた。 「慣れない下駄なんか履いて、ドジな純夏にもし転ばれでもしたら大変だからな」 そう言うと海は、私の手を引いて歩きだす。 先ほどよりも、海の歩く速度はゆっくりで。 さりげなく車道側を歩いてくれている。 たまに嫌なことも言われるけど、何だかんだ海は優しい。 「そう言えば、今日の純夏の髪型……」 「なに?」 「なんつーか。か、可愛い……な。俺、それ好きだわ」 「えっ!」 照れくさいのか、自分の頭をがしがしと搔く海。