美しき造船王は愛の海に彼女を誘う


「嫌だ。何故だ。会いたいときに会えなくなる」

「今だって会えてないでしょ、忙しくて……」

「そうじゃない、わかってるだろ、側にいたいんだよ」

「好き。あなたが大好きよ。それはどこにいても変わらない。恋人でいさせてくれる?」

 彼は私の顎をつかんで深いキスをした。糸がひいた。親指で彼が唇をなぞった。

「君が僕に内緒で、椎名まで巻き込んで全部処理したんだから本気なんだろ。わかったよ。少しの間だけ離れるのを許す。一年以上は絶対許さん」