「私は、もちろん手作りをあげる!
なにせ麗眞だもん。
既製品のなんて、嫌というほど見るだろうし、貰うだろうし。

愛情たっぷりのフォンダンショコラ作るつもり!」

何というシャレオツ感。

さすが学園公認カップルの片割れ。
女子力高すぎでしょ。

フォンダンショコラなんて横文字、知らない。

「今まで料理なんてしたことないけど。
たまに家政婦の相原(あいはら)さんが来てくれて作ってくれてたから。

だけど、頼りきりじゃいけないし。

何より、優弥(ゆうや)の喜ぶ顔が見たい。

私、頑張ってみたいの!」

「よく言った琥珀!偉いぞ!

優弥くんと付き合って初のバレンタインなんだもんね!

そう言う私もまだ作ってないんだ。

せっかくだから、深月(みづき)美冬(みふゆ)も誘って、皆で材料持ち寄って作らない?

琥珀の家、キッチンも広いし。

私とか皆でアドバイスも出来る。

協力するよ!
これでも、毎年手作りしてるしね」

椎菜が神様に見える。

恋愛の神様として崇めたいくらいだ。

「なになに?
バレンタインかー!

そっか、もうそんな季節かぁ。
あっという間だなぁ。

受験で忙しくて皆で集まってなかったし、久しぶりにガールズトークもいいね!

私もブラウニー作りたいんだ!
皆で作ろうよー!

美冬は放送部終わったら合流するって!」