処刑される覚悟は決めていたとはいえ、あまりの恐ろしさに体がガタガタと震え出した。
 両手で体をギュッと抱いて空を見上げると、顔に雨が落ちてきた。息ができないほどザーザーと強く降ってくる。
 ——怖がったらダメよ! この雨に塩が混じってしまったら、陛下とこの国の人たちの努力を台無しにしてしまう。塩の雨なんか降ったら、二度となにも育たなくなる!
「わたくしをはやく処刑してください!」
 リオ・ナバ王を見つめて大きな声で言った。
「フウル?」
「はやく、はやくわたくしを、処刑してください!」
「——ちょっと落ち着こうか、フウル」
 リオ・ナバ王はそう言いながら黒いドレスを脱ぐと、ふわりとフウルの頭からかけてくれた。