制服レモネード

「ごめん!……梓葉、こういうの苦手だった?」

「あああっ、ち、ち、違います!」

顔が一気に熱くなる。

普段なら髪の毛で顔を隠せるけど、今日に限って気合い入れてお団子なんかにしちゃってきたから耳まで丸見えだ。消えてしまいたい。

「嫌だから食べないんだろう?」

そう言われてブンブンと首を振る。

矢吹さんがこういうことに慣れてるという現実に、いちいち反応しちゃう自分がムカついてしまう。

「早く食べないと、溶けるよ」

「……はい、い、いただきます」

こんなに見られながら食べるのはすごく恥ずかしいけれど。

私は、矢吹さんのソフトクリームを一口食べる。
ミルクの濃厚で、でもフレッシュな甘さが口いっぱいに広がる。

うん、美味しい。

でも正直、味よりも、何よりも、矢吹さんが食べたソフトクリームだっていうことで頭がいっぱい。

「美味しい、です。ありがとうございました」

顔をあまり見られたくないせいで、ぎこちなくなりながら、ソフトクリームを矢吹さんに返して、私は自分の抹茶味を受け取る。

ただアイスクリームを食べるだけなのに。

すごく長い間こうしてるみたいな気がして、緊張で汗をかく。

「梓葉、初めてなの?こういうの」

「……っ、」

返してもらったソフトクリームを落としそうになる。
なんてことを聞いてくるんだ。

「あ、当たり前です。こんなことしたことないですから」

「ふーん」

「ふーんって……矢吹さんは慣れてるみたいですけど……」

こんな言い方は、やっぱり可愛くなかったかもと半分後悔しながら、チラッと横目で矢吹さんの顔を確かめる。

「俺だって、こんなことでこんなに恥ずかしいの初めてだわ。梓葉のがうつった」

「えっ」

「あー、いいから、早く食って」

矢吹さんは、窓側に完全に顔を向けてから残りのアイスを頬張り始める。

今、矢吹さん、なんて?