制服レモネード

矢吹さんの「よしっ」という声とともに車から降りて、お手洗いに向かい別々で列に並んだ。

と言っても、男子トイレは全然並んでいないんだけど。

矢吹さんを待たせるのは申し訳ないと思いながらも、この後、休めるところがない高速道路で「お手洗いに行きたい」なんて言うよりマシだと言い聞かせる。

列は思ったよりもスムーズに動き出し、お手洗いの中まで入ることができると、手洗い場は化粧直しをする女の人で溢れていた。

そっか、デートとかそりゃ多いよね。

大人っぽい女の人がリップを塗り直したり、マスカラを塗ってるのを見て、あれくらい私にも色気があったらな、なんて。

鏡越しに映る自分の姿と化粧中の女の人を比べて、ハッとしてそんなこと考えちゃダメだと言い聞かせて。

楽しむって決めたのに、隙あればこんなことばっかり考えて、私ってば全然可愛くない。

やっとお手洗いから出て、サービスエリヤのお店の前を見渡す。

矢吹さん……いないなぁ。
もしかしたら車に帰ったかも!そう思って駐車場の方へ足を向けた瞬間、

──ピロン

ショルダーバッグの中から通知音が聞こえた。

慌ててスマホを開くと『矢吹さん』の表紙とともにメッセージが続いていた。

『ちょっと、外のベンチで待ってて』

矢吹さんからのメッセージで、すぐに顔が綻ぶ。

『わかりました!』と返事を送って、ベンチの方で矢吹さんを待ちながら、キョロキョロと辺りを見渡していると。

お店の自動ドアから矢吹さんが出てくるのが見えた。そして、手に何かを持っている。

あれって───。