制服レモネード

「矢吹さんには嘘なんて言わないですし、矢吹さんどこも黒くないです」

「いや黒いよ、真っ黒だよ。梓葉みたいな純粋な子、俺が汚しちゃダメだって思い知らさせる」

「……っ」

それってどういう意味?

汚しちゃダメって、手を出しちゃダメってこと?

どう頑張っても私は矢吹さんにとっては子供で、矢吹さんの隣には、ひとりの女性としていられないってこと?

矢吹さんが私を気遣ってそう言ってくれていることはわかってるつもりだけど、そんな言葉で余計、脈がないんだって思い知られる。

「ちょっと休憩しよっか」

沈黙を破ったのは矢吹さんで、彼のその声で顔を上げると、道の先にサービスエリヤの看板が見えた。

そのまま車が曲がって、サービスエリヤの駐車場へと入って行く。

さすが土曜日、人がたくさん。
家族連れやカップルがお店の外や、車の中で休んでいるのが見えた。

「うわ〜混んでますね」

「休みだからね〜」

ゆっくりと車を進めながら、奥の方に1つ駐車スペースを見つけて、矢吹さんがスマートに車を停める。

バックを見るときに、矢吹さんの顔がこっちを向いて、急に恥ずかしくなって俯く。

やはり大人……。運転するだけでこんなに色気が出ちゃうんだ。

矢吹さんがシートベルトを外して、私も同じようにそうする。

「トイレ混んでるね〜」

矢吹さんの見てる方向を見ると、お手洗いが見えて、特に女子トイレのほうが混んでいた。

あれはちょっと並ぶことになるなぁ。

でも、お手洗い、今行かないと遊園地まで止められないもんね。