「歌詞もスッゲェいいから、聴いてみて。あ、よかったらCD貸すよ?俺アルバム全部持ってるし」
「え!いいんですか?!嬉しいです!」
「うん。帰ったら渡すね。俺も、梓葉と共通の話題が出来て嬉しいよ」
「共通の話題……?」
「いや……正直不安だったんだよね。10個も年離れてたら今の高校生に流行ってるものとかわかんないし、今日、梓葉に退屈な思いさせたらどうしようって」
「矢吹さん……」
何を言ってるんだ。私は、ただそばにいるだけでこんなにずっと嬉しいのに。ドキドキしてフワフワして、緊張して、こんな気持ち初めてで。
「だから、ありがとう」
そういう横顔にも、またキュンとして。
彼は、私がこの状況をどんだけ楽しんでいるかまるでわかっていないみたいだ。
ありがとうなんて、こっちのセリフなのに。
「こうやって同じものを好きになれたのだって、もちろん嬉しいけど、私は、矢吹さんと一緒だから楽しいんです。例えば、ここに座ってる人が矢吹さんじゃない別の人で、今みたいな会話になっても、こんなに嬉しく無いです」
「……っ、ほんとすごいなぁ、梓葉」
「すごい……?」
「なんか、梓葉に言われると、お世辞とか嘘じゃねーってなんとなくわかるっていうか。あんまりまっすぐぶつけられるから、自分の黒いところ目の当たりにするといいますか……」
当然、矢吹さんに対しての気持ちに、お世辞や嘘なんて一切あるわけない。
そして……。



