制服レモネード

これって……。

「バカは余計じゃない?」

と矢吹さん。

「うるさい。みっともないんだよ、彼女さんの前までベラベラと」

おとうさんは、顔を何度か手で雑に拭ってから、やっとこちらを向いてそう言った。

そして、矢吹さんが私の方を見て、ニコッと笑う。

その瞬間、張り詰めていた空気が、一気に緩んで、やっと大きく呼吸することができた。

よかった……。

仲直り……できたんだよね?!

「うっ、ありがとう、ありがとう、梓葉さん、ありがとう授久、帰ってきてくれてっ、うっ、」

おかあさんが泣きながら、私のことを抱きしめた。

まさか、大好きな彼のお母さんに、こんなに熱いハグをもらるなんて!!

「わ、こちらこそ、ありがとうございますっ」

そうお礼を言うと、さらにギュッとされる。
おとうさんも、今まで張っていた気が解けたのか、縁側で、庭を眺めながら伸びをしていた。

「よし、今日はうんと料理振る舞っちゃうから!梓葉さんゆっくりしていってね。お父さん、いいわよね?」

ハグから私を解放したおかあさんがそう言うと、おとうさんは「あーもう勝手にしろ」と言葉自体はぶっきらぼうだけど、さっきとは打って変わって、嬉しそうな声。

「ううっ、よかった……よかったね、矢吹さんっ」

「ハハッ、なんで梓葉が泣くの」

「だって……」

自分は何にも役に立たないって、そう思って、なにもできないまま帰っちゃうのかと思っていたから。