制服レモネード

あの後すぐに仕事に行っちゃったけど、そんな気持ちで買ってくれたなんて。

何も言ってくれないんだもん、矢吹さん。

嬉しくて、不安がどんどん溶けていって、涙が出そうになるのを必死に堪える、

「そうだったんですか。よかったです。夏穂さんも旦那さんと仲直りできて。ケーキ、とっても美味しかったです。ありがとうございました!」

「どう?これで私の疑いは晴れた?」

「あっ、えっと、すみません……」

『はい』と言ったら疑っていたことを認めることになるし、実際それはもう夏穂さんもわかっていると思うけど、ここはそう謝ることしかできない。

「ハハッ。いや〜私は嬉しいけどね。こんなピチピチJK相手なんて勝ち目ないのに。こんなおばさんのことライバルと思ってくれてありがたいわっ」

夏穂さんはそう言って私の肩をバシバシと叩いた。

「そんな、夏穂さんとってもお綺麗だから私なんて……」

「梓葉ちゃん、もっと自信持ってもいいのに。私がモデルにスカウトしたのだってもちろん本気だし。授久くんのことは、ほんと、こいつ私に惚れ込んでるなぁくらいの気持ちで余裕持ってたらいいのよ」

「うっ、ありがとうございますっ」

夏穂さんの確信に満ちたような話し方、妙に説得力があって、気持ちがほんの少し楽になる。

ガチャ

「ただいまー」

夏穂さんとキッチンで話し込んでいると、玄関から、大好きな声がした。