「おめで、とう…幸せになれよ!」 なぜか後から後から涙が溢れた。 だめなのに… 泣いちゃだめなのに… 私は、歯を食い縛った。 「っ!ありがとう…ね、」 その瞬間、ときは走り出した。 ときの背中を見て、私は涙を流した。 涙の奥で…滲んでいくときの姿は、あまりにも切なくて… 「引き留めて欲しかったなんて、言っちゃダメだよね…」 そんな私の声は、誰にも拾われず、もう暗くなってしまった空に、溶けていった…