たとえば、こんな人生も②

そんな中



自分に覆い被さってくる目の前のひとに
残像のように重なる姿



血走った目

濃いアルコールのにおい

自分より、大きな体

骨張った手



どくんどくんと、心臓が騒ぐ





知らないけど、知っていた





思い出すのは





理不尽な暴力




感じていた痛み




言葉が通じない



自分の意思なんてないのと同じ



どうしようもない無力感




……………あれ?




おかしい




平気だったはず



乗り越えたはず




理不尽な言葉も暴力も

痛みも苦しみも

自分を無下に扱われるのも



少し前まで、日常茶飯事だった