誰も異を唱える人はおらず、夏休み終盤の予定が決まった。
夏休みに入ってから、有斗は随分と忙しそうにしていた。
夕飯を家で取ることも少なく、学校もないとなるとわたし達が顔を合わせる機会もぐっと減る。
さっき、買い物から帰ってきたタイミングで会った有斗パパに聞くと、今日も朝早くから出掛けたらしかった。
「そろそろ寝るかぁ」
小論文の対策テキストを閉じ、大きく伸びをしてからベッドにごろんと寝転がる。
枕元に置いていたリモコンで部屋の電気を消した時、少しだけ開いていたカーテンの隙間から、有斗の部屋の電気がついたのが見えた。
帰ってきたんだ、と思った瞬間、充電器に繋いでいるスマホが鳴った。確認するまでもなく、通話に出る。
「もしもし?」
『もしもし。俺だけど』
「オレオレ詐欺なら切りまーす」
『……有斗だけど』
不貞腐れたのが丸わかりの声が耳元で響いて、思わずくつくつと笑ってしまった。
有斗の不服そうな呼びかけがあって、慌てて居住まいを正す。
『もう寝るとこ? 今、電気消えたように見えたんだけど』
夏休みに入ってから、有斗は随分と忙しそうにしていた。
夕飯を家で取ることも少なく、学校もないとなるとわたし達が顔を合わせる機会もぐっと減る。
さっき、買い物から帰ってきたタイミングで会った有斗パパに聞くと、今日も朝早くから出掛けたらしかった。
「そろそろ寝るかぁ」
小論文の対策テキストを閉じ、大きく伸びをしてからベッドにごろんと寝転がる。
枕元に置いていたリモコンで部屋の電気を消した時、少しだけ開いていたカーテンの隙間から、有斗の部屋の電気がついたのが見えた。
帰ってきたんだ、と思った瞬間、充電器に繋いでいるスマホが鳴った。確認するまでもなく、通話に出る。
「もしもし?」
『もしもし。俺だけど』
「オレオレ詐欺なら切りまーす」
『……有斗だけど』
不貞腐れたのが丸わかりの声が耳元で響いて、思わずくつくつと笑ってしまった。
有斗の不服そうな呼びかけがあって、慌てて居住まいを正す。
『もう寝るとこ? 今、電気消えたように見えたんだけど』



