わからなくもない。

勉強の息抜きに、花火大会はうってつけだと思う。

けど……。


「このメンバーで行くのか?」


疑問は菊池が口にしてくれた。

何も言わないけど、真由美ちゃんも不思議そうにしている。

ここにいるのは、普段、学校の外で遊んだことのないメンバーだ。花火大会とは、なかなか結びつかない。


しかし、メグちゃんは意に介さない。


「珍しいメンバーかもだけど、いいじゃん、せっかくの縁なんだし。今ご飯食べてて、楽しそうだなーって思ったんだけど。どうかなぁ?」


確かに、今こうやってご飯を食べている間はとても和気藹々としていた。

うん、楽しそうかも……。


「いいですね。おれ、行きたいです」


乗り気になったところで、先陣を切ったのは谷瀬くんだった。

僅かに声が弾んで聞こえた。

わたしも賛成の意思を伝えると、菊池と真由美ちゃんもそれに続いた。


「じゃあ、決まりだねっ。8月最後の土曜日、17時30分に隣町の駅で待ち合わせでどうかな?」