幼なじみの不器用な愛し方

わたしと菊池、谷瀬くんは食堂のカウンターに向かい、おばちゃんに食券を渡す。

夏休みで人もまばらなので、すぐに出来上がりそうだ。


「美月先輩は進路どうするんですか?」


カウンターにトレイを滑らせていると、谷瀬くんから声がかかった。

菊池はもう知っている話なので、ずんずん前に進んでいく。頼んだうどんはまだ湯掻いてる途中だよ。


「わたしは、短大に行こうかなって思ってるよ。歯科衛生士になりたくて、短大っていっても3年あるんだけど」

「へぇ! 似合いますね、歯科衛生士さん」

「えぇ、ほんと?」


思いがけない反応をもらい、喉が鳴る。

わんこのようなこの後輩は、相変わらず人懐っこい。


「一般で受けるんですか?」

「ううん。一応、指定校推薦の枠貰えそうなの。夏期講習は、念の為の保険みたいな」


一般組に言ったら怒られそうだけど、と言うと今度は谷瀬くんが笑った。

目尻にくしゃりと皺が寄る。


「美月先輩、評定全く問題なさそうですもんね。先生からの信頼も厚そう」

「そんなことないけどね。面倒ごとばっかり押し付けられてるよ」