幼なじみの不器用な愛し方

確かに、いつもと髪のセットが違う。

メイクはいつも現場で落としてくるからいつも通りだけど、全体的になんだか大人っぽい雰囲気だ。


「腹減った。なんか食べて帰ろうぜ」


いつも通りの口調で言いながら、歩き始めた有斗はわたしの腕をとっていた。

抗う間もなく、連れられる。


「帰り道だったら、カレーか中華かな。なぁ、どっちがいい?」

「どっちって……」

「いつも俺が選んでるからなー。たまには選んでいいぞ」


なんで上からなのよ、とツッコむ余裕はなかった。

いつの間にか有斗の手は腕からわたしの掌に移動していて、これはもしかしなくても、手を繋がれている。


「ね、ねぇ。手……」

「ん? いいじゃん、手くらい。前はしょっちゅう繋いでたろ」

「前って、小学校低学年くらいまでの話でしょう……!?」


そのときだって、こんな……恋人繋ぎはしてなかった。


「いいから、ほら。何食べて帰るか決めろよ。今日、昼食べてないからほんとに腹減ったんだ」