「や、やっぱりそうだよね!?」


困惑しっぱなしのわたしは、ただその変化を受け入れることしかできないでいる。

……いや、受け入れられてはいないのかも。


でも、困惑の中でも理解はしている。

戸惑うわたしを見る有斗の瞳に、ほんの僅か、喜びが混ざっているということ。


「あの1年生は? 有斗くんからみーちゃんを掻っ攫っていった子」

「谷瀬くん? 今は委員会も終わったし、前ほど会うことはないけど……。LIME交換してるから、たまにメッセージ来るくらい」

「へぇ〜。やるねぇ、わんこくん」


谷瀬くんの真意はわからないままだけれど、結子の反応はこんな感じ。

間延びするような反応に、わたしは少し居心地が悪くなってしまう。


「ま、有斗くんも容赦ないなぁと思わないでもないけどさ。有斗くんの存在を前にしても屈しないライバルがいきなり現れて、覚悟を決めたんだと思うよ〜」


だから、と結子の言葉は続く。


「慣れないだろうけどさ。固定概念を一旦取っ払って、有斗くんを見てあげてくれたらなぁって、有斗くんの友達でもあるわたしは思うよ」