「最近2人の様子が変だなーと思ってたら。みーちゃん、やーっと気付いたの?」


体育祭の日から2週間ほど悩みに悩み、ようやく打ち明けたのは、1学期の期末テストの勉強を結子と2人でしている時だ。

わたしとしては腹を括って打ち明けたその話題を、結子は「なぁんだ」とでも言うように受け取った。

肩透かしを食らったような気分になって、わたしは目を丸くしてしまう。


「や、やっとって……」

「有斗くんにとってみーちゃんが特別だってことくらい、傍で見てればバレバレだもん。むしろ気付かないほうが不思議だったよ〜」


数学のテキストにペンを放り投げて、結子が天を仰ぐ。

もっと前のめりに、目が飛び出す勢いで驚かれると思っていた。天を仰ぎたいのはわたしのほうだ。


「わたしとしては、人生一番のびっくり事案だったんだけど……」

「みーちゃん、ほんとに幼なじみとしてしか見てなかったもんねぇ」

「だって、本当にただの幼なじみでしかなかったもん」

「あはは。みーちゃんがそんなだから、有斗くんも下手に動けなかったんだと思うよ〜」