幼なじみの不器用な愛し方

『さ……3年4組もゴール!』

『お、お題は“メガネの先生”! クリアです!』

「おい、あれって、秋山先輩だよな……?」

「まじで!? すごいな、あの1年! 怖いもの知らずかよ」

「まぁ、綺麗だもんなぁ」


競技は続いているけれど、辺りは確実にさっきよりざわついている。

困惑したまま谷瀬くんを見上げると、彼が柔らかく眉を下げた。


「美月先輩が冷やかされるかもって迷ったんですけど、他の人全然浮かばなくて。すみません、こんなお題なのに連れてきちゃって」

「えっ、と……」


ど、どういう反応をすればいいの?

こんな空気になったのは初めてで、対処方法がわからない……!


「お題は、あんまり深く考えないでほしいです。おれ、美月先輩を困らせたいわけじゃないんで!」

「え……」

「美月先輩と委員会できて、本当によかったです! 委員会はもうすぐ終わっちゃうけど、これからも仲良くしてくれたら嬉しいです!」


周りの好奇の目をものともせず、最大級のキラキラを振り撒いて谷瀬くんが言う。