にやりと口角を上げた菊池に、メグちゃんと真由美ちゃんは目をキラキラと輝かせた。


「ほんと?」

「ハードル高い競技に当たったと思ったけど、これは当日頑張らなきゃねぇ!」

「上原先輩に田中先輩まで!? 3年生みんなして反応する借り物競走って、なんなんですか!?」

「さーて、班ごとの打ち合わせも終わったっぽいし、そろそろ締めるかー」

「そうだね、前行こっか」


谷瀬くんをスルーして、わたしと菊池は席を立って視聴覚室の教卓へと向かう。

菊池に任せて閉会の挨拶をしている最中、谷瀬くんがぷっくりと頬を膨らませているのが見えて、わたしは思わず笑ってしまった。




そして、体育祭当日。


「まだ6月なのに、めちゃくちゃ暑いですね〜」


首元をパタパタさせながら、谷瀬くんが救護所にやってくる。

テントの外では、開会式を終えた生徒達が各クラスの席へと戻っていくところだった。


「谷瀬くん、ジャージ似合うね?」

「えっ、そうですか?」

「うん。いつもの制服より、スポーツマン感増してる感じがする」