ぽつりと呟いて、わたしはすっかり暗くなった帰り道を辿った。




翌朝。

久しぶりに姿を現した有斗へ注がれる視線は、学校にも辿り着いていないというのに、いつにも増して多く感じた。


「みーちゃーん! 有斗くーん!」


聞き慣れた声に呼ばれて振り向くと、駅の方から結子とツジが歩いてきている。

わたし達は歩くスピードをやや緩めて、2人と合流。


「おかえり、有斗くん。沖縄、楽しかった?」

「んー、つっても仕事だしなー」


あくびを噛み殺しながら応対する有斗。

昨日、随分と遅くに帰ってきたらしい。

まぁ、日没以降のフライトで帰ってきたんだもん、お疲れだよね……。


「ちょっとだけだけどお土産買ってきたから、後で渡すわ」

「え、まじ? いいのか?」

「時間なくて大したもん買ってねーから、期待値上げるなよ」


いつものように並んで学校を目指す。

あと少しで正門、というところで、喧騒を掻き分けて耳に届いた声があった。


「あっ、委員長!」