幼なじみの不器用な愛し方

「美月ちゃん、お疲れさまぁ」

「お疲れ様。係での話し合い、大丈夫だった?」

「大丈夫だったよー! 美月ちゃんのところは?」

「うちも順調だったよー。班のみんな、積極的に動いてくれるから助かる」


肩を並べて歩き、昇降口を目指す。

委員会の話から始まり、何気ない雑談まで。

話すようになったのは最近だけど、真由美ちゃんの細やかな気遣いと、メグちゃんのフレンドリーさはあたしにとってとても心地よくて、すっかり仲良しになった。と、あたしは思っている。

実行委員、今年もやって良かったなぁ……。


「でね、まゆみんってば──」


昇降口に差し掛かった時、メグちゃんの声を遮るようにしてわたしのポケットの中のスマホが震えた。

2人に断ってからスマホを確認すると、


「……げ」


画面には、幼なじみの名前が表示されていた。


「美月ちゃん? どしたの?」


わたしが顔を顰めたのを見るなり、メグちゃんが心配そうにこちらを伺ってくる。

慌てて首を振り、スマホを再びポケットの中に捩じ込んだ。