幼なじみの不器用な愛し方

「そうですよー。これでも結構、歴は長いです!」

「琉輝はうちの期待の新入部員なんだ。ちょっと抜けてるとこあるけど」

「あ、ちょっと悠馬さん! 聞き捨てならないです!」

「事実だろ」


軽口を叩く2人の様子は、最上級生とつい最近入学してきたばかりの子とのやり取りとは思えなかった。

菊池の主将らしい立ち振る舞いももちろんだけど、きっと谷瀬くんの人懐っこさも一つの理由なんだろうなぁ……。


「秋山と同じ班なら心配ないな。秋山、琉輝のことよろしくな」

「あはは、菊池ってばお兄ちゃんみたい。任せて」

「んんん……。なんだか子ども扱いされてるみたいで釈然としませんけど、よろしくお願いします」


唇を尖らせて谷瀬くんが言うので、わたしと菊池は声を揃えて笑った。




委員会が終わり、菊池たちに別れを告げて教室を出る。

と、後ろから声がかかった。

振り返ると、揃ってアナウンス係になっていた真由美ちゃんとメグちゃんがいた。