幼なじみの不器用な愛し方

「よろしくお願いしまーす」

「よろしくねー」


人懐っこい雰囲気に、周りからも声がかかる。

わたしも倣って声をかけると、太陽みたいな眩しい笑顔が返ってきた。


「あれ、秋山と琉輝、同じ班なんだ」


話し合いが終わる頃。

自分達の班も落ち着いたからか、ふらっと寄ってきたのは菊池だった。


「琉輝って……菊池、谷瀬くんと知り合い?」


隣にいた谷瀬くんと菊池を交互に見たあたしに、谷瀬くんが応える。


「知り合いっていうか、部活の先輩なんです。委員会も、悠馬さんが誘ってくれたから立候補したようなもんで」

「部活って……谷瀬くん、空手部なの!?」


思わず声のボリュームを上げてしまい、慌てて口を押さえる。

わんこみたいなイメージと、空手が結びつかなかったんだもん。