なっ、何なのもう!
反射的に勢いよく振り返ると、布団の中から手を伸ばした彼が、じっとこちらを見ていた。
「なに?」
「……別に」
ぱっと離されたぬくもり。
ようやく彼がベッドから起き上がった。所要時間、およそ15分ナリ。
引き止めといて何よそれ。
と思いつつ、時間が迫っていてゆっくりもしていられないので、再び有斗に背を向けて部屋を出た。
時には真っ直ぐな視線をカメラに向けてみたり、時にはウインクなんかしちゃったりして世の中の女の子をトリコにしている彼は──あたし、秋山美月にとっては、手のかかる幼なじみだ。
家が隣同士で、お母さんのお腹の中にいた頃からの付き合い。いわゆる、腐れ縁ってやつ。
中学2年生の時に街で有斗がスカウトされた時も、高校3年生になった今日この日まで、あたし達はずっと一緒だった。
低血圧で寝起きは子どもみたいにぐずぐずして、ぴょんぴょん寝癖をつけているこんな姿は、紙面なんかでは見られない。
反射的に勢いよく振り返ると、布団の中から手を伸ばした彼が、じっとこちらを見ていた。
「なに?」
「……別に」
ぱっと離されたぬくもり。
ようやく彼がベッドから起き上がった。所要時間、およそ15分ナリ。
引き止めといて何よそれ。
と思いつつ、時間が迫っていてゆっくりもしていられないので、再び有斗に背を向けて部屋を出た。
時には真っ直ぐな視線をカメラに向けてみたり、時にはウインクなんかしちゃったりして世の中の女の子をトリコにしている彼は──あたし、秋山美月にとっては、手のかかる幼なじみだ。
家が隣同士で、お母さんのお腹の中にいた頃からの付き合い。いわゆる、腐れ縁ってやつ。
中学2年生の時に街で有斗がスカウトされた時も、高校3年生になった今日この日まで、あたし達はずっと一緒だった。
低血圧で寝起きは子どもみたいにぐずぐずして、ぴょんぴょん寝癖をつけているこんな姿は、紙面なんかでは見られない。