幼なじみの不器用な愛し方

缶のお酒の他に、有斗パパがよく買っているワインを開けて飲ませるつもりなのだろう。

珍しく圧され気味だった有斗に、ここは恋人として乗ってあげるべきかな。


「おつまみ作ろっか。冷蔵庫に生ハムとかチーズあったよね」

「バゲットあるし、俺、ガーリックトースト作る。で、2本くらいボトル空けさせる」

「あはは、本気だね」


大人達はお酒が進んで益々盛り上がっている。

有斗の復讐計画が完遂されれば、4人の今日の寝床はのこのリビングになるだろう。

特に珍しい光景でもないので、わたし達もお構いなしだ。


パタパタとキッチンに駆け込んで、冷蔵庫を物色する。

と、中には見覚えのある店名が書かれた白い箱があった。


そうだ、有斗ママがケーキも買ってきてくれたんだった。

いつか有斗が見つけてくれたケーキ屋さん。今は神崎家全員のお気に入りのお店になっているらしい。

すれ違った苦い思い出も、色鮮やかに上書き出来る。そのことが、こんなにも愛おしい。


「ね、有斗。今度──」


このケーキ屋さんに連れてって。

口にしようとした言葉は、声にならなかった。


「……っ!?」