幼なじみの不器用な愛し方

「嬉しいわぁ。有斗くんが遂に息子かー」

「ようやくみーちゃんがうちの娘かぁ〜! 有斗のことだから、告白すっ飛ばして指輪を用意したのかと思って焦っちゃったよ」


指輪をもらったけれど、これはきっと婚約指輪とかそういう類のものではない。

ただ交際宣言をしただけなのに、いつの間にか有斗がうちの息子になって、わたしが神崎家の娘になっていた。


ふとテーブルの上に視線を移す。

空いた缶は1.2.3……まだ酔っ払う頃合いではないはずなのに、みんな口々に話すから場はカオスと化していた。

隣の有斗も、ここまでは予想出来なかったのか完全に置いてけぼりだ。


「つーか、遂にとかようやくとかって何。2人してそんな話してたの」


やっとのことで割って入った有斗を、大人達は眉を顰めて見上げた。


「2人してっていうか……4人で。ねぇ?」

「あぁ。みーちゃん、いつ有斗の気持ちに気付くのかなってよく話してた」

「はぁ!?」


今度は有斗が声を荒げる番だった。

しかし、大人達は余裕の笑みでぐびぐびお酒を流し込んでいる。


「有斗ったら、昔からバレバレなんだもん。なのに、みーちゃんに一切その気がないのがおかしくって」

「俺のことを最大の壁だとでも思ったのか、対等になろうと俊哉くんって呼び始めた時は、あまりに可愛くて抱きしめたくなったなー」