幼なじみの不器用な愛し方

有斗の顔をちらりと見上げると、真剣な表情の中に少しの緊張が滲んでいるように見えた。


……そっか。

前に言ってたね、お付き合いを反対されたら立ち直れないって。

わたし達は普通のカップルとは少し違って、きっとわたし達だからこそ噛み締められる幸福の他に、苦労だって待っている。

有斗が用意したこの輝きは、誠意で、想いで、覚悟なんだ。


「き……」


しばしの沈黙に落ちたのは、お母さんの唸るような声だった。

みんなの視線が一斉に集まる。瞬間。


「きゃーーーーー!!!!!」


リビングに響き渡った高い声。

悲鳴というより歓声に近い音に、手のひらから有斗の緊張が伝わった。


「ねぇねぇ、聞いた!? 今の有斗くんの言葉!」

「聞いた聞いた! やだ、年甲斐もなくキュンキュンしちゃったわ!」

「いつから!? いつから付き合ってたのあんた達!」

「もしかして、年末頃に喧嘩してたのも関係あるの!?」


……え?

お母さん同士が頬を赤らめてキャッキャと騒いでいる。

その光景を、今度はわたし達2人がぽかんとしながら眺めることになる。

隣では有斗パパがビールに口をつけながら、深く頷いていた。


「遂にこの日が来たかー。俊哉くん、息してる?」

「何とか。昔からちょっとずつ覚悟はしてたから」

「そうは言っても、しょぼんとしてるじゃないか」


な……何この反応! 

思ってた反応と違うんですけど……!?