幼なじみの不器用な愛し方

「任せて。ビシバシ歯磨き指導も出来るよう、頑張るから」


また会えるかはわからない。

もしかすると、もう会うことはないのかもしれない。

でも。


「またね、谷瀬くん。本当にほんとうに、ありがとう」


再会を切望する気持ちに嘘はないから。

これから訪れる春のように、谷瀬くんの未来が光り輝いていますように。




「卒業おめでとー!!」


神崎家のリビングに、グラスと缶がぶつかる軽快な音が響く。


「美月と有斗くんがもう高校卒業か〜!」

「ついこの前まではこんなだったのになぁ」


有斗パパが缶ビールを呷りながら、テーブルの高さに手を合わせる。

その隣で、お皿に盛ったローストビーフに手を伸ばした有斗が苦笑いを浮かべた。


「父さんの記憶の中で、俺達はいつで止まってんの」

「ははは。でもわかるよ、子どもの成長は一瞬だよなぁ」


大人達4人は仕事から帰ってきた服のまま、楽しそうにお酒を呷っている。

卒業式の後に駅前のファストフード店で結子達と駄弁っていたおかげで帰宅が遅くなり、わたしも有斗も制服のままだ。